研究室紹介

肝臓疾患

福岡県はC型肝炎が非常に多い地域で、喜ばしくないことに全国でもトップクラスです。このC型肝炎をはじめとするウィルス性の肝炎、免疫の異常が原因となる肝炎や薬剤・健康食品による肝障害など、種々の肝臓病の診断・治療を行っています。

慢性肝炎が進行して肝硬変になってしまうと、食道や胃に静脈瘤ができてきます。破れる危険がある静脈瘤は治療しなければなりません。それには内視鏡でみながら、静脈瘤を固める治療(内視鏡的静脈瘤結紮術や内視鏡的硬化療法)を行っています。特殊な静脈瘤の場合には、血管造影を行いながら、静脈瘤を固めます。(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術)。いずれも、お腹を開ける手術は必要としません。なお、静脈瘤ができても自覚症状は少なく、大きくなって破れ大出血して初めて症状がでることが多いので、肝硬変の方は定期的に内視鏡検査を受けることが大事です。

慢性肝炎や肝硬変は、肝臓がんができやすい状態です。肝臓がんの治療としては、@超音波(エコー)検査でみながら、がんに針を刺して固める治療(エタノール注入・マイクロ波凝固・ラジオ波凝固)、A肝臓がんを栄養する動脈に管を入れて抗がん剤を注入する治療(肝動脈塞栓術)とB手術でがんを取り除く治療を行っています。どの治療法を行うかは、がんの大きさや肝機能低下の程度などによって決定されます。それぞれ消化器科、放射線科、外科が担当していますが、各科の間に垣根がないため、お互いに良く相談しながら、最良の治療を選択しています。なお、内科的治療でも根治が可能な小さな肝臓がんは、自覚症状が少ないため、慢性肝疾患の方は定期的(3−4ヶ月毎)に超音波検査を受けることが大事です。


胆・膵

膵癌、胆道癌は早期発見が困難なため予後不良な癌です。我々は、体外式超音波検査(US)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、内視鏡的超音波検査(EUS)、経皮経肝胆管ドレナージ術(PTCD)、経皮経肝胆道鏡(PTCS)など様々な手段を用いて、これらの癌の診断と治療を積極的に行っています。手術ができない悪性腫瘍による胆管狭搾に対して、PTCDやERCP後に狭搾胆管にMetallic Stentを留置し、自宅療養を可能にしています。さらに手術ができない膵癌、胆道癌に対して抗癌剤治療を積極的に行っています。

良性疾患の診断と治療も行っています。特に予後が不良な重症膵炎に対しては膵酵素阻害剤の動注療法を、感染性膵仮性嚢胞に対しては経皮的嚢胞ドレナージ術を施行しています。胆石症の中で、総胆管結石症に対しては、内視鏡的に乳頭括約筋切開術(EST)やバルーン拡張術(EPBD)を施行し、開腹せずに結石を除去しています。胆嚢結石による急性胆嚢炎に対して経皮的胆嚢ドレナージ術(PTGBD)を行い、胆嚢摘出術が出来ない症例にはPTCS下に結石を除去しています。




 研究室 名簿


肝・胆・膵研究室    
胆・膵グループ 准 教    植木 敏晴